発達障害を持っている方であっても、クレジットカードを発行したり、クレジットカードを利用して消費生活を楽しむことは可能です。
何らかの事情で収入がない・低いといった方だと作れるカードの種類は少なくなる場合はありますが、発達障害を持っているというだけで審査に影響するといった事は基本的にありません。
そもそも審査で障がいの有無の記載は求められません。
ここでは、発達障害を持っているような方にもおすすめの、使いやすいクレジットカード・審査に通りやすいクレジットカードや、発達障害の方がクレジットカードを利用する際の注意点などを解説していきます。
発達障害の方がクレジットカードの使い方で失敗しないコツ
発達障害を持っていても、クレジットカードを問題なく利用することは可能です。
しかし、その特性次第では高額な商品を買ってしまった・使いすぎてしまった、いわゆる消費者トラブルが起きてしまう可能性は定型の方と比べ高いかもしれません。
発達障害の方が、消費者トラブルを避けるために留意しておきたい事を挙げると以下の通りです。
クレジットカードの明細をチェックする
クレジットカードは会員限定のページやカード会社が発行しているアプリなどでこれまでの利用金額・何にいくら使ったかといったことを確認できます。
また明細を確認していないと不正利用が起きた際にも気づけませんので、定期的に明細を確認する癖をつけておきましょう。
普段の支払いをクレジットカードに統一して、定期的に確認しておけば家計簿代わりにもなります。
スマホ通知で簡単セキュリティ対策
カード会社によってはスマホの通知を介してカードを利用した時や月の利用金額が設定した金額に達した時に通知が来るようセットできます。
通知が来るようにしておけば、不正利用の際に気づきやすくなるほか、使い過ぎ防止にも繋がるので、可能であればセットしておきましょう。
高額な買い物やサブスクリプションの落とし穴を避ける方法
高額な買い物をしたり、サブスクリプションなど複雑な料金体系のサービスを利用する際は、商品の仕組みや料金体系などを最低限理解してから決済するようにしてください。
自分で理解するのが難しい場合はご家族やヘルパーなど、周囲の方の助けを借りてください。
理解しないまま契約すると想定以上の料金を請求されてしまう事例があります。
クレジットカードの利用枠を上手にコントロールしよう!
クレジットカードはカードごとに利用枠が設定されていて、それ以上の金額を利用する事は出来ない仕組みになっています。
利用枠は審査の際にカード会社側が決定し、利用実績に応じて前後するケースもあります。
使い過ぎが心配な場合、利用枠を低めに抑えておけば、思わず衝動買いなどをしてしまっても被害は小さく済みます。
クレジットカード管理のポイントとおすすめの枚数とは?
クレジットカードは審査にさえ通れば何枚でも所持することが可能です。
複数のクレジットカードを契約すると、カード毎の特典を利用できるなどメリットも大きいですが、そのぶん管理をするのが大変になります。
複数のカードを管理する自信がない場合、発行するカードは1枚のみにするか、多くても2~3枚程度にとどめておきましょう。
クレジットカードの支払い方法は一括が基本
クレジットカードは一括払いの他分割払いやリボ払いといった便利な支払い方法があり、これらの支払い方法を使えば所持金が少なくても数か月にわたって支払えるため、高額な買い物も可能です。
ただしこれらの支払い方法は手数料を要しますし、後で払えばよいからとついつい使いすぎてしまう人が居るのも事実です。
特にリボ払いを使いすぎた結果いわゆる「地獄」を見る人は多くいます。
そのため、できる限り一括で買うのを基本にするのが良いです。
やむを得ず必要な場合、リボ払いではなく分割払いを使いましょう。
高額商品に騙されないための注意ポイントとは?
健康食品や健康機器などに多いのですが、チェリーピッキングを巧みに利用して効果を過大評価したり、そもそも非科学的あるいは虚偽の宣伝文句を利用して売ろうとする商品は多く存在します。
そういったものでも低額なものであればさほど問題にはなりませんが、中には宣伝文句を真に受けて数十万円などといった高額な商品を買ってしまい、後でトラブルになるといった事例は多くあるので注意してください。
発達障害の方におすすめのクレジットカード5選!実際使いやすいのはどれ?
お金の管理は、誰にとっても重要なスキルです。
しかし、発達障害を持つ方にとっては、クレジットカードの利用や返済が難しい場合もありますよね。
そこで、今回は発達障害の方にも安心して利用できるおすすめのクレジットカードを5つ紹介します。
LINE Payカードでお得に買い物!利用金額の1%以上LINEポイント還元!
名前の通りLINEが発行しているクレジットカードで、発行は三井住友カードが行っています。
LINE Payカードでは利用金額の1%のLINEポイントが還元されます。他にお得な点は少ないですが、普段の利用でも1%還元になるのは悪くありません。
これらのLINE Payカードでは利用すると本人のLINEに通知がきます。
そのため、仕事やプライベートなどでLINEをよく利用している方であれば、カードの管理がしやすくなります。
身に覚えのない通知があると不正利用を疑えるので、万が一不正利用があった際にも気づきやすくなります。
より詳しい明細の確認等は三井住友カードの会員サイト「Vpass」から行えます。
- 利用金額の1%(ポイントプラスなら月1万円まで5%)のLINEポイントが還元される
- クレジットカードを利用するとLINEで通知が来る
リクルートカードで使えばポイントがどんどん貯まる!さらに交換も超便利!
リクルートカードは常に利用した金額の1.2%のポイントが還元されます。基本還元率が1%を上回るカードはかなり少ないので魅力です。
常に1.2%還元なので、あまり細かいことを考えなくても、このカードを使うだけで多くのポイントが貯まるのが当カードの特徴です。
貯めたポイントはdポイント、Pontaポイントに交換ができます。
じゃらん・ホットペッパービューティー・ホットペッパーグルメなどリクルート関連サービスで使うと還元率がUPします。
またVISA/MasterCardブランドのリクルートカードであれば電子マネーへのチャージに対して1.2%のポイント還元になります。
- 常に利用金額の1.2%ポイント還元なので、ポイントが貯めやすい
審査も問題なし!三井住友カード(NL)でお得な特典を手に入れよう
三井住友カードはマクドナルド・サイゼリヤ・セブンイレブン・ローソン・ガストなど、全国展開している大手店舗で還元率が5%になるのが魅力です。
基本還元率は0.5%ですが、5%特典を生かせばかなりお得に使えます。複数カードのうちの1枚として持つのも良いでしょう。
また三井住友カードはナンバーレスであり覗き見がされにくく、セキュリティ面でも安心して使いやすいカードです。
また24時間不正利用を監視するシステムがあるほか、写真付きのカードを発行できるなど、セキュリティ面でも比較的安心して使いやすいカードです。
Vpassアプリを利用すると利用するごとに携帯に通知が来る設定も可能なので、使い過ぎを防ぐためにも通知が来るよう設定しておくことをおすすめします。
また一定金額を利用したら通知が来る使い過ぎ防止機能も備わっています。
銀行系カードなので審査が難しいと言われがちですが、実際のところは噂先行な面があると思われます。
アルバイトや障がい者雇用などで何かしら収入があり、信用情報に問題がなければ通過する可能性はあります。
- 多数の大手コンビニ・飲食店などで還元率5%
- 不正検知機能やセキュリティ面も充実している
デポジットで自分の利用枠を決める!安心して使えるNexus Cardの魅力
Nexus Cardはデポジット型と呼ばれるクレジットカードで、保証金(デポジット)を預けることで発行できるクレジットカードです。
1か月あたりの利用枠はデポジットの額と同じになり、デポジットの金額は5~200万円の間で自由に選べます。
事前にデポジットを預けているため、利用者が支払いをしない場合は最終的にデポジットから充当ができます。
そのため、カード会社側としては貸し倒れのリスクはほぼないに等しく、審査に関しては余程の問題がない限り、誰でも通ると言って良いでしょう。
そのため、現在無職である・過去に金融トラブルがあるなどの理由でクレジットカードの審査が通らない方でも発行できます。
また、1か月あたりの利用枠は自分で決められるので、少額を預けて使えば使いすぎる事がなくなるのもメリットとして挙げられます。
ちなみにデポジットはカードを解約した際に戻ってきます。
- デポジット型で基本的に収入や信用情報に関係なく誰でも発行できる
- 利用枠を自分で決められるため使い過ぎのリスクを減らすことが可能
提携先(クラブ)選びでお得!Nudgeの特典を使い倒そう!
Nudgeにはポイント還元などの制度はありませんが、代わりに自分の好きな提携先(クラブ)を選ぶことで、利用金額の一部が対象クラブに還元されることに加え、クラブに関連する特典などを利用できる制度です。
クラブには歌手やスポーツチーム、アニメなど様々なジャンルがあり、その中から自分の好きなものを選んでください。
Nudgeは普通のクレジットカードとは少々仕組みが異なり、支払いは翌月末までであればいつでも行えます。
支払いが翌月末までにできなかった場合利息が発生するので、必ずそれまでに支払いましょう。
支払いはセブン銀行のATMで行うと手数料は無料で、口座振込も可能です(要手数料)。
クレジットカードのように自動で支払ってくれないのが面倒なのですが、良い風に考えるとお金を使っているという実感が持ちやすいともいえます。
利用できる金額(利用枠)は10万円までとなっていて、支払いを行えば支払った分の利用枠が復活します。
例えば1万円を1月10日に利用したとして残り利用できる金額は9万円になります。
1月15日に1万円を支払えば、再度10万円まで使えるようになります。
1月10日に利用した1万円は2月末までに支払えば利息は発生しません。
そういった仕組みなので、使い過ぎのリスクは他のカードと比べて少なめです。
Nudgeに申し込む際は職業のみの申告でよく、年収や勤務先などを細かく答える必要はありません。
そのため審査に通りにくい属性の方でも発行しやすいカードです。
ただし延滞があったり、多重債務を抱えているなど金銭的な問題がある方の場合、審査に通るのは難しいです。
- 自分の好きなクラブの特典を利用できる
- 審査で年収や勤務先を申告しなくても良い
- 利用枠10万円で支払いもATMで行う必要があり使い過ぎ防止につながる
クレジットカード以外で発達障害の方におすすめのお支払い方法とは?
使い過ぎが不安・審査に通らないといった問題がある場合、クレジットカードを持つ以外の選択肢もあります。
発達障害の方でも使いやすくクレジットカードと同じように使えるものとして「デビッドカード」と「プリペイドカード」があります。
また、家族の方にクレジットカードを持っている方がいれば、「家族カード」を発行してもらうこともできます。
銀行口座から即引き落とし!デビッドカードの安心感と使い勝手
デビッドカードはクレジットカードと違い、使った金額は銀行口座から即引き落としされます。
引き落とし先の銀行口座に入っている金額以上は使えないので、使いすぎてしまう心配はクレジットカードと比べて少ないです。
またクレジットカードと違いあと払いではないので審査なしで発行できます。
何らかの理由で審査が難しい場合も第一候補となるでしょう。
誰でも持てる!プリペイドカードの利用方法とメリット
プリペイドカードはあらかじめお金を払っておくことで、その金額分利用できます。
事前に払った分以上は使えないので、デビッドカード以上に管理しやすいカードといえます。
またクレジットカードのように審査は必要なく、基本的に誰でも持つことが可能です。
家族との共有クレジットカード!特典も利用できる家族カードを作ろう!
クレジットカードには同居者の家族にもクレジットカードを発行できる家族カードというシステムがあります。
同居している家族にクレジットカードを持っている方がいれば、家族カードを作ってもらいましょう。
家族カードを発行すれば、特典も含め本会員と同じようにクレジットカードを利用できるようになります。
なお家族カードで利用した分の金額は基本的に本会員の利用分と合算して本会員に請求され、ポイントもまとめて本会員のカードの方に貯まります。
発達障害者の消費行動に潜むトラブルとは?解決策を紹介
発達障害とは、生まれつきの問題で脳に機能的な問題があるなどといった理由で、その結果他人との関係づくりやコミュニケーション、言語習得や勉学、社会生活などで問題が生じてしまう障がいの事をいいます。
発達障害と一括りに言っても特性は個人ごとに様々ですが、主に3つのパターンに分けられるとされています。また、これらを併発する方もいらっしゃいます。
- 広汎性発達障害(自閉症・アスペルガー症候群・ASD)
- 注意欠如多動性障害(ADHD)
- 学習障害(LD)
発達障害を持っていても消費活動は行えるか
発達障害者の方は消費活動をすべきではないかというと決してそうではなく、自身の特性を多少なりとも把握したうえでトラブルになりやすい部分に気を付けていれば、基本的に大きな問題なく消費活動を行える方が多いです。
ただし発達障害の特性によっては、健常者と比較するとどうしても日常の消費行動にも問題が出てしまうことが多いのも事実です。
現に障がい者の方の消費生活相談件数は増加傾向にあり、平成28年時点で9000件を超えています。
そのため本人の方が意識するのは言うまでもないですが、場合によっては周囲の方の助けを借りたりするのも重要です。
家族や主治医の方・利用している福祉サービスなどで相談しやすい所があると良いです。
またご自身でクレジットカードなどの管理をするのが難しいと感じる場合、(いくら政府がキャッシュレス決済を推しているとはいえ)無理に利用しようとする必要はありません。
くれぐれも無理のない範囲でやっていきましょう。
広汎性発達障害の方が知っておきたい、消費活動の困りごとと解決策
おもにコミュニケーションや社会性などに関係する部分の脳機能の障がいを持つ方の総称していいます。
主に自閉症スペクトラム症候群、アスペルガー症候群・ADSなどがあります。
こういった広汎性発達障害を持つ方の特性や困りごととしては「こだわりが強い・パターン化された行動」「コミュニケーションの障害」「言葉の裏の意図を読めない」などがあります。
こういった障がいを持つ方が消費活動をするうえで問題が起きるとすれば、以下のような事が考えられます。
- トラブルが起きた際・わからない事がある際に相談できない
- 過大な宣伝文句をそのまま受け取ってしまい、高額な商品を買ってしまう
- 特定の商品やサービスなどにこだわりを持つあまり必要以上の浪費や高額な課金をしてしまう
他方でこれらの持つと言われるこだわりの強さが良い方向に出れば、クレジットカードの特典等を細かくチェックするなどし、消費生活をより充実させることも可能でしょう。
注意欠如・多動性障害(ADHD)だからこそ注意が必要!クレジットカードの罠と衝動買い対策
注意欠如・多動性障害(ADHD)は、多動性・衝動性などに特徴がある障がいで、その結果落ち着きがない・ミスや忘れ物が多い・じっとしていられないなどといった困りごとを抱えやすいとされています。
ADHDの方の場合、その特性から「衝動買い(その場の勢いだけで熟慮せず買い物をすること)」をしてしまう方が多いとされています。
衝動買いも程度問題であるうえADHDの方だけの問題でもありませんが、衝動で高い買い物を何度もしてしまったりすると、生活に支障が出てしまう可能性も否定できません。
特にクレジットカードの場合、利用枠の範囲内であれば所持金以上のものを買うことも可能なうえ、お金を使ったという感覚を持ちにくいのでトラブルが起きやすいとされているため、注意が必要です。
ADHDの方でもその辺の問題をクリアすれば、基本的には問題なくクレジットカードを使えるでしょう。
いっぽうで衝動買いをコントロールできず、所持金以上のお金を使ってしまうといった場合は、無理にクレジットカードは利用せず後述するプリペイドカードなどを利用するのがトラブル回避にはおすすめです。
金銭管理トラブル回避|限局性学習症(SLD)の方におすすめの支払い方法とは?
限局性学習症(SLD)は、全般的な知的発達において遅れはないものの、聞く、話す、読む、書く、計算するなどといった特定の行動に対して困難をきたす障がいのことをいいます。
読むことに困難がある読字障害、書くことに困難がある書字障害、計算に関して困難のある算数障害などのタイプがあります。
かつてはLD(学習障がい)と言われましたが、現在はこちらの「限局性学習症」と呼ぶことが基本です。
基本的に呼び名が変わっただけで、これらの定義などに大きな違いがあるわけではありません。
SLDの方で計算が難しいといった特性があると金銭管理が難しくなり、その結果消費活動をするうえでも問題が起きる可能性は否定できません。
また読むことが難しい方の場合だと、料金体系がややこしいものなど、複雑なサービスは内容を理解するのが難しいかもしれません。
特に高額商品を買ったりサブスクなどのサービスを契約する際は、事前に内容を理解していないとトラブルになる可能性があるので、場合によっては周囲と相談するなどして、内容を理解したことを確認してから契約するようにしてください。
また計算障害等をお持ちで金銭管理がうまくいかないなら、最初は無理にクレジットカードは利用せずプリペイドカード等を利用した方が、トラブルは減らせると思われます。