株式会社日本信用情報機構(JICC)の信用情報開示では、個人や法人の信用情報を確認することができます。
具体的には、契約内容や支払い状況などの詳細を含む、氏名、生年月日、電話番号、利用金額、残高、遅延、法的手続きの有無などの情報が開示されます。
開示申込みは、JICCに登録されている情報と一致するものに限られ、申込み後のキャンセルはできません。
開示結果の解釈については、JICCのウェブサイトに詳細なガイドが提供されています。
JICCとは何か
JICC(正式名称:株式会社日本信用情報機構 英語表記:Japan Credit Information Reference Center Corp.)は、クレジット情報を取り扱う指定信用情報機関の一つで、日本全国のクレジット会社、貸金業者、金融機関などが加盟しています。
この機関は、個人の信用情報を収集し、必要に応じて提供する役割を果たしています。
信用情報の開示は、個人や法人に対して適切な信用判断を行うための重要なプロセスです。
JICCの役割
JICCの主な役割は、会員会社から提供される契約内容や支払い状況などの信用情報を正確に管理し、それを必要なタイミングで提供することです。
このプロセスにより、金融機関やクレジット会社は個人や法人の信用リスクを評価し、適切な信用供与を行うことができます。
また、JICCは信用情報の透明性を確保し、利用者が自身の信用情報を適時に確認できるようなサービスも提供しています。
信用情報の収集と提供
JICCは、加盟している会員会社から定期的に信用情報を収集します。
これには、ローンやクレジットカードの契約情報、支払い履歴、返済状況などが含まれます。
これらの情報は、個別の取引状況を詳細に示しており、信用情報の開示を通じて、利用者自らが把握することが可能です。
情報の収集は法的に規制されており、利用者のプライバシーを厳重に守る措置が取られています。
また、JICCから信用情報を開示することで、利用者は自身の信用状況を確認できます。
例えば、過去の返済遅延や現在の残高、法的手続きを伴う問題などが明確に示されます。
情報開示の手続きは、スマートフォンアプリを利用して行うことができ、手続きの流れはアプリのダウンロードから本人認証、お客様情報の入力、手数料の支払い、そして最終的な開示結果の受け取りまで一貫してサポートされています。
JICCが保有している個人の信用情報とは
キャッシングの新規申し込みの際に登録される「申込情報」、契約締結後に登録される「契約内容」、利用中に登録される「利用記録」で構成されています。
また、JICCに登録されている信用情報は、情報の種類ごとに以下の期間登録され、期間が過ぎた情報は自動的に抹消されます。
信用情報の種類 | 主な情報項目 |
---|---|
本人を特定するための情報 | 氏名 生年月日 性別 住所 電話番号 勤務先 勤務先電話番号 運転免許証等の記号番号等 |
契約内容に関する情報 | 登録会員名 契約の種類 契約日 貸付日 契約金額 貸付金額 保証額等 |
返済状況に関する情報 | 入金日 入金予定日 残高金額 完済日 延滞等 |
取引事実に関する情報 | 債権回収 債務整理 保証履行 強制解約 破産申立 債権譲渡等 |
申込みに関する情報 | 本人を特定する情報 氏名 生年月日 電話番号 運転免許証等の記号番号等 申込商品 申込日 申込商品種別等 |
本人申告コメント情報 | 本人から申告された本人確認書類の紛失・盗難等の情報 |
貸付自粛依頼情報 | 日本貸金業協会または全国銀行個人信用情報センターに貸付自粛依頼を申入れたことを表す情報 |
JICCは個人信用情報機関3社のうちの1社
特にキャッシング履歴のブラックな信用情報を確認したい場合の、情報の請求先であるJICC(日本信用情報機構)は、主に消費者金融やクレジットカード会社、銀行が加盟する個人信用情報機関ですので、キャッシングを利用した場合には必ず登録されます。
自分の個人信用情報を確認できる個人信用情報機関には、貸金業者やクレジットカード発行会社が審査する時に、申込者の信用情報を照会する指定個人信用情報機関には、「消費者金融系のJICC(日本信用情報機構)」と「クレジット、信販系のCIC(シー・アイ・シー)の2社があります。
銀行が貸付け審査する場合には、「JBA( 2011年までKSCと呼称された全国銀行個人信用情報センター)」に申込者の信用情報を問い合わせして与信をしています。
CIC(シーアイシー)には主に、商品購入の分割払いの使用履歴が登録され、JICC(日本信用情報機構)には主に、消費者金融の利用履歴とクレジットカードでのキャッシングの利用履歴、銀行から借りたカードローンの履歴が登録されています。
JICC信用情報開示の手続き
申し込み方法
JICCから信用情報を開示するための手続きは、スマートフォンアプリを利用する方法が一般的です。
対応するOSは、iOS13以上およびAndroid8.0以上となっており、アプリをダウンロードしてから手続きを進めます。
まず、アプリ内で本人認証を行い、その後、必要なお客様情報を入力します。
次に手数料の支払いを行い、この一連の流れを完了させると、開示結果を受け取ることができます。
JICCのモバイルによる信用情報開示の手順
携帯電話のアプリで申し込めるサービスは、支払い方法もいろいろあるので運転免許証があればすぐにできます。
日本の官公庁が発行した有効期限内のもので、氏名・現住所・生年月日が確認できる身分証明書(運転免許証・パスポート・保険証など)を用意します。
開示結果をデータで受取る場合1,000円、開示結果を郵送で受取る場合1,300円のクレジットカード決済となります。
JICCから開示報告書が約5日~7日後に到着しますので、開示された情報を確認して下さい。
また、郵送での申し込みも可能です。郵送の場合は所定の申込書をダウンロードし、必要書類を添付して送付します。
JICCの郵送による信用情報開示の手順
消費者金融やクレジットカードからのキャッシングの履歴である信用情報を開示してもらうためには、信用情報開示申込書という書類が必要になります。
信用情報開示申込書は、JICC公式ホームページからダウンロードして印刷する方法と、コンビニのマルチコピー機でプリントアウトする方法があります。
信用情報開示申込書の入手方法
信用情報開示申込書の入手方法は2通りあり、JICC公式ホームページからダウンロードして印刷する方法と、コンビニのマルチコピー機でプリントアウトする方法があります。
JICC公式ホームページからダウンロードする場合には、登録情報開示申込書をパソコンで入力記入して印刷する方法になります。
- パソコンで入力して印刷する
https://www.jicc.co.jp/kaiji/procedure/mail/
コンビニのセブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、セイコーマートのマルチコピー機でプリントして手書きします。
- セブンイレブン【プリント予約番号(JICC0001)】
https://www.printing.ne.jp/support/flow/flow_step3.html - ファミリーマート、ローソン【ユーザー番号(JICC000001)】
https://networkprint.ne.jp/sharp_netprint/ja/howto_doc_convini.aspx - セイコーマート【ユーザー番号(JICC000001)】
氏名・生年月日・住所が分かる身分証明書のコピーを用意して下さい。
顔写真付き身分証明書、健康保険証・年金手帳・戸籍謄本・印鑑登録証明書など2点を用意し、コンビニエンスストアで郵送開示利用券1,300円を購入します。
準備した書類、手数料として郵送開示利用券をJICCに郵送します。
この時、到着日が確認できるレターパックライトでの郵送がお勧めです。
【送付先】〒530-0003
大阪府大阪市北区堂島1-5-30 堂島プラザビル6階
株式会社日本信用情報機構 開示窓口宛
JICCから開示報告書が約5日~7日後に到着しますので、開示された情報を確認して下さい。
必要書類
信用情報開示を申し込む際には、本人確認書類が必要です。
例えば、運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなどがあります。
また、親権者や後見人からの申し込みの場合は、その関係を証明する書類も求められます。
法人の信用情報を開示する場合は、法人代表者からの委任状や法人の証明書類も必要です。
弁護士や司法書士が代理で申し込む場合は、委任状とともに資格証明書も必要になります。
提出書類に不備があると手続きが受け付けられないため、事前に必要書類を十分に確認して準備することが重要です。
JICCの信用情報開示に必要とする本人確認資料は2点
自分の信用情報を開示してもらうためには、請求者が本人であるという証明をしなければなりません。
そのために本人確認資料として、2点提出しなければなりません。
信用情報を開示するために必要とする本人確認資料は、日本国内の官公庁等(健康保険組合を含み、外国政府機関を除く。)が発行したもので、有効期限内のものに限ります。
コピーが必要な本人確認書類は、氏名・生年月日・住所・有効期限の記載のある面(住所記載が別の場合はその面)を鮮明にコピーのうえ、添付してください。
下記の1.~11.の本人確認書類より、いずれか2点を添付してください。
- 運転免許証または運転経歴証明書(表面・裏面コピー)
- マイナンバーカード[個人番号カード](写真付表面のみコピー)
- パスポート(コピー※住所欄含む)
- 各種健康保険証(コピー※住所欄含む)
- 写真付住民基本台帳カード(表面・裏面コピー)
- 各種年金手帳(コピー※住所欄含む)
- 各種障がい者手帳(コピー※住所欄含む)
- 在留カードまたは特別永住者証明書(表面・裏面コピー)
- 住民票(本籍地・個人番号の記載がない、発行日から3ヶ月以内の原本)
- 戸籍謄本または戸籍抄本(発行日から3ヶ月以内の原本)
- 印鑑登録証明書(発行日から3ヶ月以内の原本)
手数料と支払い方法
JICCの信用情報開示の手数料は、申込み方法によって異なります。
スマートフォンアプリ経由の場合は、500円から1,500円の範囲で設定されています。
支払い方法も多岐にわたり、クレジットカードやコンビニ支払い、銀行振込などが利用できます。
支払いが完了しないと情報開示の手続きは進みませんので、速やかに支払いを行うことが求められます。
また、具体的な手数料はJICCのサイトで確認することができます。
参考:JICC|開示を申し込む
開示結果の受け取り
開示結果は、申し込み方法によって受け取り時間が異なります。
スマートフォンアプリ経由で手続きを行った場合、クレジットカードや電話認証での受け取りは数分から数時間と非常に短時間で済みます。
一方、本人確認書類認証を選んだ場合は、結果が手元に届くまで5日から7日程度かかります。
郵送や窓口での申し込みでも同様に、郵送の開示結果受け取りには多少の時間がかかります。
開示結果を受け取ったら、提供された情報をよく確認し、必要に応じて訂正を依頼することも可能です。
信用情報の開示手数料と開示されるまでの期間
開示方法 | 費用 | 開示までの平均時間 |
---|---|---|
モバイル開示 | ①開示結果をデータで受取る場合 1,000円 ②開示結果を郵送で受取る場合 1,300円 | 毎日 8:00~20:00 |
郵送開示 | 1,300円 | 5営業日 |
JICCから開示される情報の内容
ローンやクレジットの契約情報
JICCから信用情報を開示すると、まず確認できるのがローンやクレジットの契約情報です。
具体的には、どの金融機関やクレジット会社と契約しているのか、契約金額、契約期間などが含まれます。
これにより、現在の借り入れ状況や利用状況を全体的に把握することができます。
返済状況の記録
次に重要なのが、返済状況の記録です。
JICCに登録されている信用情報には、毎月の返済状況が詳細に記録されています。
これには、支払い遅延の有無や期日通りに支払いを行っているかどうかが含まれます。
過去の返済履歴を確認することで、金融機関はあなたの信用度を評価します。
事故情報とその影響
信用情報の中でも特に注意が必要なのが、事故情報です。
これは、延滞や債務整理、自己破産などの情報が含まれる部分です。
事故情報がある場合、今後のクレジットやローンの審査に大きな影響を与える可能性があります。
JICCではこの情報も詳細に管理されており、開示結果にも反映されます。
JICC開示結果の見方
重要な項目の確認ポイント
JICCから信用情報を開示した際には、いくつかの重要な項目を確認することが非常に重要です。
まず、契約内容や返済状況を確認してください。これには、ローンやクレジットの契約日、契約金額、残高、返済方法などが含まれます。
次に、支払いの遅延や法的手続きの有無も重要なポイントとなります。
遅延情報や法的手続き情報が含まれている場合、それが与える影響も大きいので注意が必要です。
見方の例
具体的な見方の例を見てみましょう。
例えば、JICCの信用情報には「成約情報」と「返済状況」が掲載されます。
成約情報には、クレジット会社や金融機関との契約内容が記載されており、ここで契約金額や残高を確認します。
返済状況では、毎月の支払いの遅延がないかチェックします。
特に「異動(延滞・代位弁済・強制回収など)」情報がある場合、これが将来の信用に大きな影響を与え得るため、詳細に確認することが重要です。
JICCからの信用情報開示のメリットとデメリット
開示のメリット
JICCから信用情報を開示することには多くのメリットがあります。
まず、自身の信用情報を確認することで、クレジットカードやローンの審査にどのような影響があるのかを把握することができます。
これにより、事前に自分の信用状況を確認し、必要に応じて改善策を講じることが可能となります。
また、不正な情報や誤った記録が含まれている場合は、それを発見し、修正を依頼することができます。これにより、正確な信用情報を維持することができます。
さらに、信用情報開示は、今後の金融取引や契約において有利になる可能性もあります。
特に、複数の信用情報機関から双方の情報を開示すべき場合があり、これにより全体的な信用状況を把握することができます。
定期的に自身の信用情報を確認する習慣を持つことは、金融リテラシーの向上にも繋がります。
開示のデメリット
一方で、信用情報を開示することにはいくつかのデメリットも存在します。
まず、開示には手数料がかかります。
JICCの場合、開示手続き費用が500円から1,500円程度必要となります。
これが経済的な負担となる場合があります。
また、開示結果を受け取るまでには時間がかかることがあります。
スマートフォンアプリを通じて申し込みを行った場合でも、開示結果の受取には数分から数時間、書面による本人確認を経る場合は5日から7日程度かかることがあります。
この時間的なコストもデメリットと言えるでしょう。
さらに、信用情報開示は一度申請するとキャンセルができないため、意図しない場合にも情報が開示されるリスクがあります。
これにより、自分の信用情報が不必要に第三者に渡る可能性があります。
また、開示された情報に問題があった場合、その修正には時間と手間がかかることもデメリットとなります。
他の信用情報機関との比較
CICとの比較
CIC(信用情報機関)もJICC同様に個人の信用情報を管理し、各金融機関やクレジット会社と情報を共有しています。
まず、CICとJICCの主な違いですが、CICは主にクレジットカード会社やリース会社からの情報を取り扱っており、これに対してJICCは消費者金融や信販会社からの情報が多く含まれています。
したがって、クレジットカード利用者の場合はCICからの開示が重要ですが、ローンやキャッシングを多く利用する場合はJICCからの信用情報開示が役立ちます。
また、信用情報の収集や提供のスピードにも若干の違いがあります。
CICはインターネットによる即時開示が可能ですが、JICCはスマートフォンアプリを使用して比較的短期間で情報開示が行われます。
手数料については、両機関ともにほぼ同じ範囲ですが、JICCの申し込み手数料は500円から1,500円と幅があります。一方、CICは1,000円前後で安定しています。
全国銀行個人信用情報センターとの比較
全国銀行個人信用情報センター(JBA)は、主に銀行からの情報を取り扱っています。
住宅ローンや自動車ローンなど、銀行での取り引きが多い方にとって重要な信用情報を提供しています。
JICCと比較すると、JBAはより多くの銀行関連情報を含んでおり、銀行での審査結果を理解するためにはJBAからの情報開示が必要となることが多いです。
両機関の情報をしっかりと開示し、正確な内容を確認することが、今後の信用取引において非常に重要となります。
両方開示すべき場合も多く、個人の利用状況に合わせて適切に情報開示を行うことがすすめられます。