住宅ローンの借り換えを考える際、変動金利と固定金利のどちらを選ぶかは大きな決断です。
変動金利は一般的に初期の支払いが少なく、市場の金利に応じて変動します。
一方、固定金利は金利リスクを避け、一定の支払いで計画的な返済が可能です。
銀行選びでは、金利の低さだけでなく、手数料やサービス、保証内容も重要なポイントになります。
最適な選択をするためには、自分の返済計画と将来の金利動向を考慮し、複数の銀行の条件を比較することが推奨されます。
住宅ローン借り換えの基本
現在借りている金融機関とは別の金融機関から融資を受けて、現在借りている金融機関に残っている債務を完済することです。
借り換えをした後はこの際に融資を受けた金融機関に対して返済をすることになります。その金融機関からの融資条件次第では、返済の負担を大きく下げることができます。
住宅ローン借り換えの利点
住宅ローンの借り換えを行うメリットには、主に金利の低下による返済総額の削減が挙げられます。
例えば、現在の住宅ローンの金利が高く、他の銀行でより低い金利を提供している場合に借り換えることで、返済負担を軽減することが可能です。
低金利が長期間にわたって適用される場合、手数料が高額であっても、総合的に見て返済総額を抑えることができます。
また、借り換えにより毎月の返済額が減少することや、返済期間を短縮できる可能性もあります。
しかし、手数料や諸費用が発生することもあるため、事前にシミュレーションを行い、現在の条件と借り換え後の条件をしっかり比較することが重要です。
住宅ローンの金利タイプ
住宅ローンには、主に変動金利と固定金利の2つの金利タイプがあります。
変動金利は、市場金利の変動に応じて金利が変わるため、金利が低下しているときには非常に有利です。
しかし、将来的に金利が上昇するリスクも伴います。
一方、固定金利は契約時の金利が返済期間中変わらないため、長期的な資金計画が立てやすいのが特徴です。
各金利タイプにはメリットとデメリットがあるため、自分のライフプランに合わせて慎重に選ぶ必要があります。
例えば、安定した返済額を希望する場合には固定金利が適していますし、金利の低下を受けて借り換えを検討する場合には変動金利の選択が考えられます。
変動金利と固定金利の違い
変動金利のメリットとデメリット
変動金利は、経済環境の変化に伴い金利が上下する特徴があります。
メリットとしては、一般的に固定金利よりも初期の金利が低く設定されていることが挙げられます。
これにより、返済開始当初の負担を軽減することが可能です。
さらに、金利が下がればそれに応じて返済額も減少するため、市場の金利が低い時期には大きな恩恵を受けることができます。
ただし、デメリットとしては、金利が上昇すれば返済額も増えるリスクがあります。
特に考慮すべきは、「5年ルール」や「125%ルール」という制約です。
これらのルールによって、一時的には返済額が一定に抑えられるものの、後年に負担が増す可能性があります。そのため、長期的な計画が必要です。
固定金利のメリットとデメリット
固定金利は、借入時に設定された金利が全期間にわたって変わらず続くタイプです。
最大のメリットは、経済状況に関わらず一定の返済額を維持できるため、家計の計画が立てやすい点にあります。
特に金利が上昇局面にあると予想される場合には、固定金利の安定性が魅力的です。
一方でデメリットとしては、一般的に変動金利よりも高めに設定されているため、借入当初の負担が大きくなることがあります。
また、金利が下がっても返済額が変わらないため、金利低下の恩恵を受けにくいことが考えられます。
そのため、住宅ローンを選ぶ際は、将来の金利変動を見越したうえでの判断が重要です。
住宅ローンを借り換えるとどれくらいお得なのか?
住宅ローンを借り換えると、どの程度お得になるのでしょうか。
一例として、2000万円が住宅ローンとして残っているとして、20年で返済する場合で考えます。この場合、金利が0.6/0.7/0.8%の場合における支払総額は次の通りになります(元利均等返済の場合、諸経費は考慮しないものとします)。
- 0.8%⇒21,649,300円
- 0.7%⇒21,438,479円 約-20万円
- 0.6%⇒21,228,987円 約-20万円
このように、住宅ローンは金利を0.1%下がるだけでも大幅に支払総額を下げることが可能で、返済の負担を抑えることができます。
現在住宅ローンを借りている方は、今一度住宅ローンの条件を見直してみましょう。
住宅ローン借り換えにおすすめの銀行
auじぶん銀行
auじぶん銀行は、住宅ローン借り換えにおいて非常に有力な選択肢となっています。
特に変動金利の面での強みを持っており、全期間引下げプランでは0.469%(2024年11月時点)の金利が提供されています。
そのため、低金利を利用して返済負担を軽減することが期待できます。
また、スマートフォンを活用した利便性の高いサービスが特徴で、手続きの簡略化を求めている方におすすめです。
住信SBIネット銀行
住信SBIネット銀行は、WEB申込コース・通期引下げプランにより、年0.448%という非常に競争力のある金利を提供しています。
ネット銀行ならではの低コスト構造を活かし、借り換えに際してコスト削減を狙えるので、多くの方にとって魅力的な選択肢となるでしょう。
さらに、借り換え時の手数料も抑えられている点がメリットとして挙げられます。
こうした条件は、ネット銀行の強みを最大限に活かした提案です。
三菱UFJ銀行
三菱UFJ銀行は、信頼性と安定感を求める方にとっておすすめの銀行です。
その高い信頼性に加え、2024年11月時点での変動金利は0.345%~0.425%と非常に魅力的な設定になっています。
また、国内の大手銀行としての安心感やリアル店舗での相談体制の強さも魅力です。
特に、変動金利での借り換えを考えている方には、金利水準のメリットを享受できるかもしれません。
住宅ローンの借り換え交渉術の方法とは?
それでは、実際に住宅ローンの金利を引き下げるにはどうすればいいのでしょうか?住宅ローンの金利を引き下げるための方法は、主に以下の2つが考えられます。
- 今借りている金融機関と交渉して金利を下げてもらう
- 別の金融機関で住宅ローンの借り換えをする
住宅ローンの金利を下げるというと、2の「別の金融機関で借り換えをする」が想定されることが多いですが、1の「金利引き下げの交渉する」という方法も有効です。
今借りている金融機関と交渉して金利を下げてもらう
もっとも銀行側も金利を下げるのはすなわち収入が低下することを意味するので、ただ「金利を下げてくれ」と言うだけだと、金利を下げてもらうことは難しいです。
しかしこの時の交渉次第では本当に金利を下げてくれる場合もあり、そのために重要なのは「他の金融機関での借り換えを検討している旨を伝える」ということです。
住宅ローンは銀行の中でも一番の稼ぎ頭で、銀行の収益の要となっています。
サラリーマンの契約の多い日本では確実に収益が見込める貸出なので、銀行側は住宅ローンの契約者確保に必死です。
近年日本においては低金利状態が続いていることもあり「金利が下がっているので、見直しをしませんか?」という住宅ローンの借り換えキャンペーンも多く行われていて、銀行間同士で住宅ローン契約者確保のための激しい競争が繰り広げられています。
逆に言えば、住宅ローンの担当者も他行への借り換えを阻止するために必死です。これが「交渉によって金利を下げてもらう」が有効になる主な理由です。
また、住宅ローンを他社に借り換える際には審査があるので、その点も注意が必要です。
別の金融機関で住宅ローンの借り換えをする
借り換えをするまでに既に支払い実績を積んでいることはプラス要素であるため、審査のハードルが借り換えの際には高くなるというわけではありませんが、審査の質が少し違う点は注意する必要があります。
というのも住宅ローンを新規で借りる場合は担保にする物件の価値が高いため、最悪の場合は担保物件を売って回収することができます。そのためやや属性面で不安があっても審査に通ることがあります。
いっぽう借り換えの際は担保物件の価値が低下していることが多いため、より返済がしっかりできるかどうか(何らかの安定収入があるか)が重視される傾向にあります。
金利を引き下げてもらううえでは基本的にこういった審査が行われることはないので、そのこともメリットになります。
具体的な交渉の方法はいたって簡単で
- 他の銀行での借り換えシミュレーションと審査をする。
- 審査結果を持って、今借りている銀行へ住宅ローンの借り換えを検討している旨を相談に行く。
こうすると、今借りている銀行は他の銀行へ住宅ローンを借り換えされるのを防ぐために防衛策に出ます。これが「住宅ローンの金利の引き下げ」という銀行員しか知らない裏ワザです。
金利引き下げの相談をする上で特別に費用が掛かる事はないので、ダメ元だとしてもチャレンジしてみる価値はあります。
住宅ローンの裏ワザ「金利引き下げ」に関する注意点
住宅ローンの裏ワザ「金利引き下げ交渉」を利用する際には、「現在借りているローンを延滞しない」「事前準備をしっかりしておく」といった点に留意しておく必要があります。
延滞があるような場合は交渉に応じてくれる可能性は低い
ローンの支払いに延滞があるなど、問題がある顧客と判断されるような場合は、金融機関側も借り換えを引き留めるメリットがなく、交渉に応じてくれる可能性は低いです。
延滞があるような場合は他金融機関への借り換えも難しくなります。
支払いができていれば交渉する余地はあると思われますが、住宅ローンの支払いが厳しいような場合は、むしろ事情を金融機関側に相談して毎月の返済額を見直してもらう方法もあります。
事前準備をしっかりしておくと良い
銀行員側も経験豊富な方が多いため、借り換えのシミュレーションや準備もしていない段階で「借り換えを検討している」と言っても、話をするうちにボロが出てしまうこともあります。
そのため、まずは実際に後述する「モゲレコ」などで借り換えのシミュレーションをして他社の金利を把握し、事前審査を受けてから交渉をする方が確実です。
ただし銀行員次第では借り換えの話を持ち出した段階で金利を下げてくれる可能性もあるので、そこはあなたの交渉術や銀行員との信頼関係次第でもあります。
他銀行での借り換えシミュレーションを効率的に行う方法
ここで気になるのは、どこで住宅ローンの審査を申し込めば良いかという点ではないでしょうか。
借り換えのシミュレーションを銀行ごとに1つ1つやるのは大変なので、おすすめは一括シミュレーションを利用することです。
一括審査をするうえで便利なのは「モゲレコ」というモゲチェックが運営するオンラインの住宅ローン提案サービスです。
モゲレコは利用者数が20万人超えており、住宅ローンの見直しを考えている多くの人に利用されています。またTBS「news23」「ひるおび」、NHKなど、TV番組などでも取り扱われています。
モゲレコで利用できる主な機能は下記の通りで、借り換えを検討したい場合にどのぐらい金利を下げられるのか簡単にシミュレーションができ便利です。
住宅ローンの見直しはモゲチェック- 登録情報をもとに自分に合った銀行を最大3つまで提案
- 毎月の返済額とトータルの返済額をどの程度減らせるか確認できる
- 住宅ローンを利用する上での各種アドバイスを利用でき、プロのアドバイザーに無料で相談することも可能
- 横比較表によってそれぞれの住宅ローンを比較する事ができる
- 住宅ローンを借りるまでの手続きの流れを確認できる
モゲレコは利用料が発生しないので、利用料の心配はありません。モゲレコのサービスは掲載している金融機関側の手数料によって運営されており、利用者側が利用料等を支払う必要はありません。
モゲレコでは大手メガバンクからネット銀行、地方銀行まで数多くの金融機関を取り扱っていますので、自分に合った金融機関を見つけやすくなっています。
一括審査が終了したら、あとは他銀行の住宅ローン金利を持って、今借りている銀行に交渉しに行くと良いでしょう。
なお、今借りている銀行が思うように金利を下げてくれないような場合は、モゲレコから他行へ借り換え申し込みをすることも可能です。
住宅ローンを借り換えるのは同じ銀行が一番安くなる理由
また、同じ銀行での借り換えを推奨する理由は「手数料」です。他行への借り換えを行う場合、新しい契約を組みなおすということになるため、そのための経費が発生します。
- 新しい銀行への保証料
- 新しい銀行が抵当権を設定する費用
- 元の銀行の抵当権を解除する費用
- 金銭消費貸借約定書の印紙代 など
その合計額はザックリ計算して50万円程度です。一方で、同じ銀行での借り換えは正確には「金利引き下げ」「条件変更」といい、今の契約を金利だけ下げるという事務手続きの変更だけを行います。
そのため今の銀行で金利を下げてもらうことができれば、こういった諸経費が発生しないというメリットがあります。言い換えると、金利が下がった分だけまるまるお得になるということです。
住宅ローン借り換えで一番得する交渉術
この住宅ローンの裏ワザ「金利引き下げ」で気をつけるべきことは、当たり前のことではありますが「交渉の際に提示する借り換え先の金利はなるべく安いものを提示する」ということです。
今借りている銀行はなるべく金利を下げないように、でも借り換えをされないようにということで、まずは他の銀行で借り換えるのと同じ金額的メリットがでるような金利を提示してきます。
この際の銀行の言い分は、「金額的に同じメリットが出るからそのままウチで借りてください」です。
そんな銀行員と上手く交渉するためには、先ほど申し上げた他行の住宅ローン金利の中でも、安いものを提示する必要があります。そうすることで、より金利引き下げの幅が広くなる可能性があります。
住宅ローンにおいて金利が一番低いのはネット系の銀行(ネットバンク)であり、2024年11月現在だとネット銀行の住宅ローン金利は0.2%~、メガバンクで0.3%~となっています。
周りの銀行はよく近くの銀行の金利のことは把握しているので、最初は最安値ではないどっちつかずの金利を提示してくることが多いです。
だからこそ、このネット系銀行の審査結果を今住宅ローンを借りている銀行に持っていくことで、最安値の金利を引き出しつつ、費用も抑えることができるという一石二鳥が実現可能です。
金利は0.1%下がるだけでも数十万円単位でお得になります。
住宅コストはそもそもの額が高いため、金利の下がり幅だけで見れば微々たるものでも経済的なインパクトは非常に大きいです。
もし今利用している銀行が思うように金利を下げてくれない場合は、金利の安いネット銀行に借り換えてしまうのも一考です。
住宅ローンの選び方
金利タイプの選び方
住宅ローンを選ぶ際には、金利タイプが大きな決定要因となります。
基本的に、変動金利と固定金利の2つがあります。
変動金利は、経済状況に応じて金利が変動するため、金利の低い時期にはメリットを享受できます。
一方で、金利が上昇すると返済額が増えるリスクもあるため注意が必要です。
反対に、固定金利は借入時の金利が契約期間中変わらないため、将来の返済計画が立てやすいというメリットがありますが、市場金利が下がった場合でも返済額が減らないデメリットもあります。
自身のライフプランや市場の動向を考慮して選ぶことが大切です。
手数料と諸費用の確認
住宅ローンを借り換える際には、手数料や諸費用についても細かく確認することが重要です。
特に、借り換え時には元の銀行からの解約手数料や、新しい銀行での事務手数料が発生します。
これらが高額になる場合もあり、金利の差で得られるメリットが手数料で相殺されてしまう可能性もあります。
シミュレーションを通じて、総合的なコストをしっかりと比較することが必要です。
また、団体信用生命保険の条件なども見直しが必要です。
相談窓口とサポート体制
借り換えを行う際には、信頼性のある相談窓口やサポート体制の整った銀行を選ぶことが、安心して手続きを進めるための要素となります。
ネット銀行の場合は、オンラインでの相談が中心ですが、必要に応じて電話や対面でのサポートが受けられることもあります。
特に初めての借り換えを検討している方は、詳しい説明やアドバイスを受けられるような窓口がある銀行を選ぶと良いでしょう。
住宅ローン借り換えにおすすめの銀行は、その点でも評価が高いことが多いです。