カードローンには利用限度額(利用可能枠)があらかじめ設定されていますが、ある程度の期間、カードローンでのキャッシングを利用していると、利用限度額を増額が必要になることもあるでしょう。
ここではカードローンの利用限度額の増枠申請をする際に、知っておきたい事を解説していきます。
カードローン利用限度額(利用可能枠)は申込みすれば増額できる場合がある
キャッシングローンやカードローンなどの場合も、銀行やローン会社・消費者金融会社などが知らない間に、利用限度額を増額していることは少なくなっています。
そのため、基本的に自分で限度額増額の申請をする必要があります。
限度額の増額をする際は必ず審査があり、審査を通らない場合は増額はできませんので注意が必要です。
また、カードローンでは利用者の状況を確認するための途上審査を行うことがあり、この際に問題がなければ、カードローン会社から利用枠増額に関する案内が届くこともあります。
案内を受けたからと必ず審査に通るわけではありませんが、案内が来た場合は増枠のチャンスでもあります。
消費者金融などは一定期間に返済の遅れや延滞がなければ、利用限度額が増額されていることもありましたが、貸金業法が改正され総量規制が施行されて以降は、自動的に増額されることは殆どありません。
総量規制は簡単に言うと「融資を受けられる金額は年収の3分の1まで」という決まりです。
貸金業者は総量規制による上限(年収の1/3)を超える金額の融資をすることは基本的に出来ませんので、総量規制に違反する貸付をすることがないよう貸金業者側は審査を行います。
なお、基本的にカードローンの利用を開始してすぐに増枠をしてもらうことは難しく、一般的には最低でも半年程度の利用が必要とされています。
新規契約から増額されるまでの期間が短いとされるのは、セントラルのカードローンなどがあります。
カードローン増額申し込みで審査通過するために注意したいポイント
カードローンの増額を申し込む際に大幅な増額を申し込もうとすると審査に落ちやすくなります。
そのため、申し込みの際に希望する利用限度枠は、現在の利用限度額を踏まえたうえで、希望額が大きくなりすぎないように注意しましょう。
また、場合によっては増額を申し込んだ際に逆に利用枠を減額されてしまったり、カードローンの利用を停止されてしまうケースがあります。
これは審査において信用情報を確認した時に他社で延滞があったり、借入額や借り入れ件数が増えていることなどを問題視された場合、収入が悪化した場合などが考えられます。
こういった理由から、利用枠の増額を申し込んでも審査に通らないと思われるような場合は、無理に増枠を申し込むのは避けた方が良い場合もあります。
なお、下記に該当するような場合は途上与信をする必要があることが貸金業法によって決められていますので、増枠申し込みに関係なく減額されてしまう可能性があります。
- カードローンで1カ月の利用金額が5万円以上、借入残高が10万円以上の場合(1か月に1回の途上与信)
- 当月に借入れがなくても、借入残高が10万円以上の場合(3ヶ月に1回の途上与信)
また、カードローンの延滞があるなど利用状況が悪い場合は、上記に当てはまるかどうかに関係なく利用枠を減額される可能性もあります。
利用枠の増額はカードローン会社側から一定の信用が必要になるので、極力延滞等を避け信用を築いていく必要があります。
カードローンの利用限度額の増額申請方法と審査の流れ
キャッシング・カードローンなどの利用限度額の増額審査は、新規カードローンの申込時と同様な審査になり、審査内容や審査の流れは新規申込時のローン審査と基本的に変わりません。
増枠の申込をしたい場合、申し込み方法はカードローン会社によって違いはありますが、基本的にはWebサイトや電話、店頭などで受け付けています。
実際に利用枠を増額するまでの基本的な流れは下記の通りです。
カードローン会社にWebサイト/電話/店頭等を通じて利用限度額の増額を申し込みます。
増枠案内があった場合は、案内をもとに増額を申し込むと良いでしょう。
増枠の際には増枠が必要な理由や融資を受けたお金の使途、現在の収入や勤務状況、他社借入の状況などを尋ねられることが多いので、予め必要な事を確認しておくと良いです。
またカードローン会社側が必要と判断した場合は、本人確認書類や収入証明書類の提出を求められる場合があります。
貸金業者の利用限度額が50万円以上または他の貸金業者から借り入れている金額の合計が100万円以上になる場合には、貸金業法によって収入証明書の提出が必須とされています。
増枠によって50万円以上になる場合や他社からの借入が多い場合は、事前に用意しておくと良いでしょう。
主な収入証明に使える書類としては次のようなものが挙げられます。
- 源泉徴収票(最新のもの)
- 給与明細書(直近のもの)
- 所得証明書
- 住民税課税(非課税)証明書
申し込みの際に嘘を申告すると、証明書類を求められた際にバレてしまうリスクがあるので注意が必要です。
申し込みを完了すれば、ローン会社によって審査が行われます。審査の段階では主に次のような事を確認しています。
- 総量規制をオーバーしないか
- 現在の収入、勤務状況
- 他社からの借入状況や延滞の有無(信用情報)
- カードローンの利用実績や延滞の有無
場合によっては、勤務先への在籍確認が行われる場合もあります。
申し込んでから審査が終わるまでの時間は、カードローン会社によってまちまちで、最短即日で審査結果の回答が可能なところもありますが、数日程度を要することもあります。
利用実績があって返済状況に問題がなく、増枠の条件を満たしていれば1時間もかからず審査に通る場合もあります。
審査に要する時間は個人の状況次第でもあり、すぐにマルまたはバツを出すのが難しい状況の場合は、審査に時間を要することになると思われます。
審査が完了すれば、カードローン会社側から電話やメール等で審査結果の通達があります。
審査に通過していれば、利用枠の増額がなされたことになります。
カードローンの利用限度額の増額審査の内容
カードローンの利用限度枠の増額の為の審査にあたって、確認するポイントは新規申し込みの時と基本的には変わりません。
大きく違う点は増額を申し込むカードローン(消費者金融や銀行など)会社との取引状況が審査に影響します。
利用枠の増枠の際に見るポイントとしては、主に次のようなものがあります。
- 増額を申し込むカードローンの利用状況、返済状況
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返済状況は、毎月の支払が遅れなく払われているかどうかや、毎月の最低返済金額以上支払がされているかなどです。
言うまでもないですが、利用中のカードローンに延滞等があれば増額審査には通ることは難しくなります。
延滞が起きそうな場合に事前にカードローン会社側に連絡するなど、対応に問題がなければ大目に見てもらえる可能性もあります。
また先述したように、カードローンの利用を開始してから半年以上が経過していない場合は、増枠審査に通ることは難しいとされます。
- 現在の収入の状況
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借入の際と同じように、現在の収入の状況は審査に影響します。基本的に安定した仕事に就いていたり、新規申し込みの際より収入がアップしたりしていると、審査に通りやすくなるでしょう。
総量規制によって収入の1/3以上の貸し付けは出来ないので、増枠によって総量規制をオーバーしないよう注意する必要があります。
総量規制でいう「年収」に含まれるものは下記の通りです。
- 給与
- 年金
- 恩給
- 定期的に受領する不動産の賃貸収入(事業として行う場合を除く)
- 年間の事業所得(過去の事業所得の状況に照らして安定的と認められるものに限る)
副業をしている方の場合、20万円以上の収入があれば確定申告をすることで収入をアップさせることができる場合もあります。
また年金を受給している方の場合、年金も収入をカウントする」対象になります。
- 他社からの借入状況や信用情報
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審査の際に信用情報は必ず確認されます。クレジットカードや他社ローンなどの利用状況は信用情報によって確認できます。
他社ローンやクレジットカードの延滞などによって信用情報に問題があると、増額審査に通ることは難しくなります。
また他社からの借入が多く返済に不安があると判断されたり、総量規制をオーバーするような場合は、増額審査に通らなくなります。
まとめ:利用枠の増枠は他社借入件数や金利を抑えることができる
カードローンの利用枠が足りない場合、新たに別のカードローン会社から借入をすることもできますが、利用枠の増枠で対応できる場合はそうした方が良いケースが多いです。
カードローンの利用枠の増額には審査のための時間を要します。
審査はすぐに終わるケースもありますが、審査に時間が掛かってしまうと急いですぐにでも現金が必要な場合には困る場合があり、新規で他社カードローンの申し込みをする方もいます。
消費者金融では審査時間は最短即日回答も可能なので、融資を申し込んで審査に通過すれば即日融資を受けられ、場合によっては限度額増額や追加融資などを申し込んだ場合と比較して早く融資を受けられる場合があります。
ただしこれによって他社借入件数が増えることになる点には注意が必要です。
多くの借入先から借りていると、1つまたは少数の借入先から借りている場合と比較して、返済の際の管理が大変になってしまいます。
カードローンは基本的に借入額が大きいほど金利が低くなることが多いため、利用枠の増枠をしてもらえば新たな借入先から借りるよりも金利を低く抑えられる場合があります。
こういったことからカードローンの利用枠の増枠ができる状況であれば、借入額を増やしたい場合は借入先を増やすより、現在のカードローン会社の増枠で対応する方がメリットが大きい場合が多いと考えられます。